ミッション

2・3日くらい前から自分の周りで不登校支援を行う法人についてが少し話題に。

なぜ話題になったかというと、法人が掲げるミッションが近年の不登校支援に関わる動きと反対の方向性を示しているということで、教育・子ども支援のNPO関係者を中心に色々な声が聞こえています。

一昔前では、不登校児童・生徒は学校に戻す・再度通学できるようにすることが基本とされていたように思いますが、現在はフリースクール等などを活用した学校以外での教育が認められつつあるなど変わってきています。

そういった中で、話題になっている法人がミッションに掲げていたのが簡単に言うと「通学していた学校に戻す」ということ。

通学していた学校に戻すことは必ずしも有益ではないなど世の中の考えが変わってきている中でのこのミッションだったので、NPO関係者を中心に否定的な声が挙げられていました。

ミッション(Mission)とは

これらの声を受けて、この法人は真意が伝わっていないとしてウェブ上に文書を掲載するのですが、そもそも追加で説明しないと意味が伝わらないものは「ミッション(Mission)」といえるのでしょうか。

某ウェブサイトにはミッションの意味について次のように載っていました。

ミッション・・・果たしたいこと(will)、果たさなければならないこと(must)、とるべき行動、果たすべき役割、なすべき貢献、存在理由、共通目的、共通立場

非営利法人・営利法人で考え方が変わるかもしれませんが、その法人が果たしたいことなどを明示しているのがミッションであると考えています。

そのため、ミッションは「その言葉を見て、意味が伝わるもの・考えられるもの」でなければならないと個人的には考えています。

ミッションの例

株式会社オリエンタルランド

自由でみずみずしい発想を原動力に

すばらしい夢と感動

ひととしての喜び

そしてやすらぎを提供します。

株式会社ユー・エス・ジェイ

私たちは、世界のエンターテイメント・リーディングカンパニーを目指します。そのために、ゲストの期待を常に上回る「ワールドクラスの体験」を提供し続けます。

株式会社CAMPFIRE

資金集めを民主化し、世界中の誰しもが声をあげられる世の中をつくる。

Democratize financing, and make it easier for anyone anywhere to make their voice heard.

特定非営利活動法人キッズドア

すべての子どもが
夢と希望をもてる社会へ

法人によっては、ミッションではなくビジョンと設定していたり、使命や目指す姿などのように掲載していますが、ウェブサイトへの掲載方法などを見て概ねミッションと同様の意味であると考えています。

ちなみに、兵庫子ども支援団体のミッションは「子どもが笑って過ごせる地域の形成」です。

一例を見て頂いて分かるように、テーマパークの運営会社は来場者へどのようなものを提供するのかをミッションに設定していますし、クラウドファンディングの運営会社はこれまではハードルが高かった資金調達をもっと身近なものにすると設定しています。非営利法人では、どのような社会を作って行きたいかをミッションに設定しています。

結局は…

このようにミッションなどはその字面を見て、意味が伝わるものでなければならないのです。やはり、今回の不登校支援の法人が行ったように真意を補足する説明が必要なものはミッションとは呼べないのではないでしょうか。

これからミッションを策定する場合でも、誤解を受けない・真意がしっかりと伝わるように注意しながら作らなければならないですね。