三角形の求積公式の求め方

小学校5年生で「面積」の学習をする。4年生では正方形・長方形の求積公式を学習し、5年生では既習図形をもとに三角形や平行四辺形、台形、ひし形の求積公式へと拡張していく。

前提

さて、タイトルにもあるとおり、求積公式への導き方であるが、教科書では数学的活動をとおして「面積が長方形の半分になっている」ことを指摘し、そこから辺に着目させて「底辺×高さ÷2」になることを導いている。

導き方としてはそのとおりだと思うが、数学的活動をとおして、「四角形の面積の半分になっている」ことに気付ける子どもは少ないのではないのだろうか。むしろ、数学的活動(様々な方法で面積を求めるの)と四角形の面積の半分になっていることに気付かせるのは別時間として振り分けた方が良いのではないだろうか。

来年度、完全施行される学習指導要領では、平面図形の面積(B-⑶)において身につける思考力・判断力・表現力等として

「図形を構成する要素などに着目して,基本図形の面積の求め方を見い だすとともに,その表現を振り返り,簡潔かつ的確な表現に高め,公式 として導くこと。」

学習指導要領解説 算数編(平成29年告示)

と挙げられている。また、その解説部分には、

ある基本図形の面積の求め方を見いだしたら,もとの図形のどこの長さに着目す ると面積を求めることができるのか,振り返って考えさせることが大切である。さらに,いつでも同じ要素などに着目することで,面積を求めることができるかどうかを確かめることによって,公式として導いていくようにする。

学習指導要領解説 算数編(平成29年告示)

と書かれている。

授業の実際

そこで、今回、複数の数学的活動によって出てきた面積の求め方をもとに三角形の求積公式を見出す授業を実践してみた。

授業の流れとしては、1・2時間目に数学的活動による面積の求め方を行い、3時間目にそれらの求め方(考えや式)に共通すること、似ていることをグルーピングし、求積公式へと導いた。ちなみに、1・2時間目では、数学的活動を行うだけにし、「四角形の半分になっている」ことまでは押さえていない。

3時間目では、1㎠(単位面積)を数える方法以外は、四角形に帰着していること、一つの式又は二つの式で求められていることなどが共通点で出てきた。また、答えである12㎠と式の途中に出てくる24㎠との関係に着目する児童もいた。

全体で話をしていく中で「四角形の半分」ということに収束していったが、次にどの四角形の半分なのかという疑問が出てきた。半分ということは「÷2」が出てきそうだが、出てきていないものもあり、それはなぜなのかという疑問も出てきた。

それらは、式と図を関連付けさせて考えることで、辺の半分になっているけれど、それが式に現れていないことが分かり、丁寧に式を書くと全てに÷2が出ていることに気が付くことができた。

反省

児童の振り返りの中で「この三角形では、四角形の半分が使える」という記述がみられた。これは児童の中で一般化が図れていない証拠であり、発達段階を考えると何ら不思議ではない。そのため、この方法に限らず、面積の学習では複数の図形(三角形)に取り組むことで一般化へとさせていくことも必要なのではないかと思った。